今から20年ほど前、

当時、ディーラー勤務だった私は、

お客さんに車を届ける「納車」も仕事のひとつだったんですが、

納車って、基本的に2人で行くものなんですね。

なぜなら1台で行くと帰り足がないから。



なので、納車は営業さんと一緒に2人1組で。

2台で行って1台で帰社。



同じ部署に女子社員が5名ほどいたので、

基本的には順番で行く決まりでしたが、

同僚が「あそこだけは私が行かなきゃいけない」と絶対譲ってくれない納車先があったんです。



特に人の好き嫌いのない同僚が独占状態だったので、

「よほどそのお客さんが好き」か「好かれているか」のどちらかだと思ってたんですが、

ある日、同僚が休みの日にそこの納車が入り、

ちょうど空いてた私が同行したんところ、

まぁ、びっくりですよね。



そこは、老舗のふぐ料理屋さんで、

裏口から入ると元気な女将さんが出てきて、

「はい、口を開けてーーー！」と、

ふぐの唐揚げを口に放り込んでくれて、

「おかわりどう？」とーーー。



そう、そこは、納車に行くとふぐの唐揚げを食べさせてもらえる素晴らしい納車先だったのです。



しかも、ふぐの唐揚げは揚げたて激熱で、

サックサクな衣とホックホクな身がたまらん食感で、

噛むごとに溢れるジュワっジュワな脂と旨味はおかわり必須な美味しさ（しかも本当におかわりさせてくれて、ご飯もくれる）。



私にとって人生初のふぐがこの時だったのですが、

「ふぐってこんなに美味しいんだ～！」と感動したのと共に「こりゃ同僚も独り占めするわ」と妙に納得したのをよく覚えています。



以来私は、ふぐの美味しさと、ふぐ屋さんへの納車はもれなくふぐがついてくることを学び、

ふぐ屋さんへの納車は同僚とジャンケンに。

2人で決死のジャンケンをしながらふぐ屋さん（の納車）に通ったものです。



「いつか夜がコースが食べてみたいね～」

ってのが私と同僚の夢でもありましたが、

いかんせん、当時の私は20歳。

さらに相手はふぐ。



そう、ふぐは高貴ですから、





ご清聴ありがとうございます。

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ありがとうございます。ぺこりぺこり。





ちなみにふぐさしは、めちゃくちゃしっかりしたプラ皿に菊盛りの形で入っているので、

そのまま食卓に出すだけで充分な美しさを発揮しますが、

お気に入りのお皿に移し替えたい場合は、凍った状態での移し替えがおすすめ。

ふぐさしを冷蔵庫に10分ほどおいて、ほぼ凍った状態で移し替えれば、

菊盛りの形を崩すことなく、綺麗に移し替えることができます。





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