うまいこと神様をGETしたことにより。


こんなにも得られた安心感。





ああ。


先生というものは。


こんなにも人を安心させる存在であったのだなと。





ああ。


先生というものは。


こんなにも神に近しい存在であったのだなと。





心の底から痛感。






しかし。


痛みは変わりません。 これとそれとの話は別もの。







あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉぉ~!!!!」





どこまでも響く断末魔。


陣痛室は猛獣部屋か。


はたまた処刑場か。




先生「おかめさーん。おかめさーん。ひっひっふー。ひっひっふーだよー。」





あたし「ひっ・・・ひっ・・・・・うぉぉぉぉぉぉぉ~!!!」





神様すいません。


ひっひっふーとか。


まじで無理です。





先生「はーい。力まないでー。」






あたし「ふ・・・ふんぬーーーーーー!!!」





神様ダメです。


わざとじゃありません。


誰かが・・・。


そう。


あたしの中の誰かが。


勝手に力みます。


あたしが止めても無駄です。


この人、勝手に力んでます。









もうじき4時30分。









このくらいの時間になると。


思うことはただひとつ。




5時より前に生めるか否か。






例え4時59分でもいいんです。


5時をまわらなければ。


産声が聞こえればいいんです。


5時より1秒だけ前に。





夜間料金は払いたくない。


腹が(ってゆーか体中。全身。どこもここも。)痛い。


解放して。




夜間料金は払いたくない。


腹が痛い。


解放して。






頭の中はそればっか。





先生「あれ。そういえば旦那さんって・・・。」




おかん「あ。疲れたみたいで。病室で寝るって言ってました。」




先生「え?そうなの?そろそろ呼んだほうがいいかも。もうちょっとで生まれそうだよ。」







もうちょっとで生まれそう。




もうちょっとで生まれそう。




もうちょっとで生まれそう。








ありがとう神様。


その言葉。


どれだけ夢に見たことか。





先生「俺、呼んでこようか?」





あたし「い・・・いいッ!!!いい。いい。いいいいいいー!!!!」





いらないです。


旦那。


現在必要ありません。




あなたさえ。


あなたさえいてくれれば。


それで生めるから。





先生「え?でもせっかく立ち会えるのにー。」




あたし「いっ・・・いいいいィィィィィーーー!はよ生ませてーーーーー!!!」





誰がいようがいまいが。


立会いであろうがなかろうが。


現在のあたしには。



どーでもいい事なんです。 ホントどーでもいい。




5時前に生めればそれでいい。


よろっとあたしも限界ですしね。


時は一刻を争うんです。


一分一秒だって惜しい。









あたし「いっ・・・今・・・何時?」




先生「んー。今ね。35分になりそうなとこ。」






あと25分!



あと25分ーーーーー!!!!! 急げーーーー。







先生「どうする?分娩台に乗ってみたいとか希望ある?」




あたし「なっ・・・ない・・・ないィィィィィーーーー!」




神様。


あたしは分娩台よりも一刻も早い出産希望でございます。





先生「そ。じゃここで生もうっか。」




と。


そのまま陣痛室の畳の上で生むことに。












そして4時40分。









先生「あ。もうちょっと。もうちょっとだね。いいよいいよ。このまま力んでいい。」




あたし「ふっ・・・ふんぬーーーーー!!!!」




大丈夫。


お願いされなくても力んでます。




先生「そうそう。そのままそのまま。もう一回力んでー。」




あたし「ふっ・・・ふんぬーーーーーーー!!!!!」




先生「そうそう。もう一回もう一回。」





あたし「いてーーーーーーー!!!!裂けるーーーーーーーーー!!!!」





生まれる時には。


陣痛とは違った衝撃があります。


陣痛で分からないって方もいらっしゃいますけど。


分からなくない。


絶対分かる。


痛い。


超痛い。




鼻から大根。


もしくは。


耳からすいか。



ホントそのとーりだから。






先生「よし!頭。頭でたよー!はいおかめさん。こっち。こっち見てー。」




助産婦さんがあたしの頭を起こしてくれて。


頭だけでた赤ちゃんなるものを見た。




あたし「あ。どうも。」




完全に生まれきってもいない我が子に挨拶。



どうも。


こんにちは。


母です。


おかめです。





先生「よし。じゃこのまま引っ張るからねー。もう一回だけ力んでー。」




あたし「ふ・・・ふんぬーーーーー!!!!」








すっっっっっっっぽん!









おぎゃー。



おぎゃー。



おぎゃー。









先生「おめでとうございます。おかめさん。かわいい女の子ですよー。」




あたし「い・・・今・・・今何時・・・。」





我が子がこの世に誕生し。


同時にあたしは母という存在になり。


記念すべきこの時に。


初めて発した言葉は。




「今何時?」。





10年前のあたし。


それだけ夜間料金が嫌だったんだな。





先生「えーっと。4時50分。元気な女の子を出産ですね。よかったね。5時前ですよ。ははは。」







4時50分。




4時50分。




4時50分。






やっ・・・やりました。


やりましたーーーーー!







プラス料金なしィィィィィィ!!!!!!! 勝利を勝ちとったぞー!







執念祟ってか。


夜間料金の10分前。



3010gの女の子を出産しました。








あたし「うう・・・ううう・・・・。泣」




助産婦さん「あらあら。おかめさん感動しちゃったかな。」




あたし「うう・・・ううう・・・・。泣」





ボロッボロとこぼれる涙。


溢れる涙。


止まらない涙。





ようやく。


この痛みから解放されたかと思うと。


嬉しくて・・・ううう・・・嬉しくて・・・。泣


すいません。


これ。



感動じゃなくて嬉し涙です。 ごめんなさい。でも本当に嬉しい。ううう・・・。泣







そして。


涙を流しながら。


ファーストタッチに。


初乳なる儀式を済ませ。







さぶろー山「おかめー。」




と。


いそいそと真打登場。






今頃ノコノコと登場しおって。


もー全部終わったわい。






おめでとうか。


お疲れ様か。






おかめ様にかける最初の一声は何だ?















さぶろー山「どうする?名前、ムネコにする?」 


(当時週刊誌を騒がせた「ムネオハウス」からとったムネコ。)













バーカーターレーーーーーーー!!!怒。













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そしてあたしは。


出血多量で意識を失いました。




(そしてまた点滴。笑)