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あたし、小学校の時に引っ越して新潟に来たんだけど、

コンビニもないようなど田舎から、いきなりの大都会は結構と苦しいものがあって、

水も合わなければ空気も合わず、すべてに置いて慣れなくて体調を崩した時、

「近所にできたばっかりのお医者さんがあるからそこに行こう!」

と、おかんに連れられて行った近所の内科に行ったんだ。



そこは本当にできたばっかりのお医者さんで、

建物は新築の匂いがプンプンと香り、

何もかもがピッカピカに光り輝いていたのだけれど、それもそのはず。

カルテ番号No.006。

ちょうどその日が開業日で、あたしは6人目の患者だった。



診察室に入ると、パリっとした白衣に身を包んだ齢60歳くらいのおじいちゃん先生が待っていた。



先生「今日はどうしましたか?」



おかん「えっと、今日の朝くらいから具合が悪いようで、家で熱を計った時は7度5分くらいだったんですが、さっき計ったら8度近くなってまして、あと、お腹だっけ?お腹痛いんだっけ?お腹も痛いみたいです。」



おかんは若干テンパリつつ、あたしの病状を説明してくれたのだけれど、

先生はそれを無視し、じっとあたしの眼を見て、



先生「もう5年生なんだから、ちゃんと自分の口で説明してください。」



と、言った。



あたし「・・・少し熱っぽくて、気持ち悪くて、お腹は下のほうが痛いんだけど・・・具合わる・・・うげえええええええ。」



口を開いた瞬間、吐しゃ物をまき散らしたあたしに、



先生「気にしなくていいですよ。ちゃんと自分の口で言ってもらわないと、僕たちも正確な診断できないから。何でも自分で言える大人になりなさい。」



と言ったことは今でも忘れられない。








「街のお医者さん」というには、少し偏屈な先生だったけれど、

イチローという最大の偏屈じーさんを知っているあたしにとって、

おじいちゃん先生との他愛のない会話はとても心地よく、

おじいちゃん先生が聴診器をあてると、それだけで治るような気さえした。

まったく血管の見えない看護師泣かせのあたしの腕だけれども、

なぜかおじいちゃん先生だけは一発で刺すことができた。

長年の付き合いから、お互いの求めているものが手に取るように分かった。

医院がお休みの日は、休み明けまで我慢してその医院に行くほど、絶大な信頼を置いていた。



初めての社会人生活に慣れなくて、微熱が下がらなかった時。

何日もかけて、体中を検査してくれ、本気で心配をしてくれたおじいちゃん先生。

それから数年後、あたしの苗字が変わっているのを見て、

「おめでとう!」と喜んでくれたおじいちゃん先生。

お腹に宿ったひなを見て、「何かあるといけないから、妊娠中は産婦人科でお世話になりなさい」

と教えてくれたおじいちゃん先生。

あたしの人生の節目をすべて見てくれたおじいちゃん先生。



結婚して家族が増え、

さぶろー山のかかりつけにもなり、

小児科を卒業したひなのかかりつけにもなってもらった矢先、

おじいちゃん先生は医院を閉業した。








医院を開業した時、おじいちゃん先生はすでに還暦を迎えており、

あれから20年以上の月日が経っているので、

おじいちゃん先生も90歳近い。

生涯現役を謳っていたおじいちゃん先生だけど、やはり歳には敵わぬものがあったのかもしれない。

ついにこの時が来たか・・・と、あたしは肩を落としたけれど、

90歳近くまで医師を務め、

街のお医者さんとしてあたし達の面倒をみてくれた活躍おじいちゃん先生には、

感謝してもし足りない。

長年のお勤め、本当にありがとう。

おじいちゃん先生がいつまでも元気で、今までできなかったことがたくさんでき、

毎日の生活が彩られたものであるよう、願った。



それから数か月後、

建物が壊され、医院の土地が売りに出された時は、

大切なものがなくなってしまったような、そんな喪失感に見舞われ、

とても寂しく思ったと同時に、

あたしはこれからどこのお世話になればいいんだろう。という悩みもついてきたけれど、

医院が閉業してからというもの、

あたしは内科のお世話になることもなく、

元気に生きることができた。

きっとこれは、おじいちゃん先生から最後の置き土産なのかもしれない。








とまぁ、あたしはおじいちゃん先生の御加護を受け、

元気いっぱいに暮らせているんで、何の問題もないんですが、

問題は御加護のないさぶろー山ですわ。

うちのおデブちゃん。



誰よりも強そうな体をしてるのに、ちょいちょい熱を出したり、胃を痛めたりする繊細な彼は、

すでに何度か他のお医者さんのお世話になっているのだけれど、

近所のA医院に行った時は、

2時間待って、聴診器ぽんぽん。

「じゃっ、薬出しておきますねー。」

の、1分診療という事実が彼のプライドを傷つけたらしく、

そこにはもう行かないと言い出し、

近所のB医院に行った時は、

出された薬が合わなかったのか、嘔吐に嘔吐を繰り返し、

やっぱり二度と行かないと言い出し、

よもや彼は、近所の内科を巡る渡り鳥と化していた。



O型のあたしから言えば、気にしすぎな気もするけれど、

いずれあたしもお世話にならねばならないお医者さんなら、信頼できるお医者さんがいい。

「いいお医者さんが見つかったら教えてー。あたしもそこにするわー。」

と、言っていた矢先、

本日、またもや体調を崩し、渡り鳥はとある医院に足を運んだ。







ー以下、さぶろー山の語りですー







「俺な、今日、C医院に行ったんだよ。

そしたらさ、いつもの先生がいつもの調子で見てくれたんだけど、

聴診器ポンポンっとして、夏風邪ですね!っつーからさ、

いやいや、ちょっと待ってくれ。と。

他にも調子悪いところがあるからそっちも見てくれ。つったら、

『前回、インフルエンザ検査の料金を貰ってなかったんで今日払ってください』とか言うんだよな。

確かに俺、何年か前にあの医者の世話になってんだけど、

あの時って、胃が痛くて行ってるから、インフルエンザとか全ッ然覚えがねーワケ。

絶対あれ、間違いだろ。と思ったけど、受付で請求されたし、面倒くせーからから払ったんだよな。

まぁ、それに関しては、もういい。間違いは誰にでもあるし、受付の女の子もかわいかったから。

そんでな、俺の症状としては、熱があって、体が重く、なんとなーくダルくて、奥歯が痛いんだ。

奥歯の痛みってほら、分かるだろ?

調子が悪くなってくると、奥歯が全部うずくっつーか、膿んでくるあの症状。

免疫力が下がってる時に絶対でる症状なんだけど、これは何なんですかね?って聞いたら、

?マークを三つくらい頭の上に出して、ものすげー不思議そうな顔で、

『口の中のことは歯医者じゃないと・・・』

つってさ、何言ってんだコイツ。的な顔をされたから、俺はもう俺も諦めた。もう奥歯の件はいい。

口の中は歯医者でも、体の中のコトなら分かるだろ。と思って、

今度は肝臓の調子が悪いんだけど、それは何か関係あるのか。つって聞いたら、

ものすげー自信満々の顔で、











『太りすぎじゃないんですか?』











俺に触れもせず、俺の顔を見ただけで診断しやがって。

ちくしょう、ちくしょう、あのヤブめ・・・!」





いや、その先生の言ってることは的確だと思うぞ。










ご清聴ありがとうございます。

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ありがとうございます。ぺこりぺこり。






ーその後ー

さぶろー山「・・・いや、僕、肝臓の数値があんまりよくないみたいなんですけど、このままほおっておくと、肝硬変とかになっちゃうんですかね?」

先生「いえ、痩せれば大丈夫ですよ。」

先生、最高か。








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