
本編とは何ら関係のない画像、「犬なのに世界で一番散歩が嫌いなうちの二番娘」。
たとえ人気のない草原であっても、歩く気は、ない。
さてさて。
昨日からの続きで無人販売におけるバイトのお話。
(その①はこちら→無人販売における人間ウォッチングの思い出。~に辿り着くまで~)
派遣会社の友達に連れられ、
やってきたのは、大変閑静な山の中。
というか、山の奥。
空気が清らかで、
空が広く、
大変爽やかな場所ではあったけれど、
人間に野菜を売るより、熊に肉を売ったほうがいいんじゃね?
と、思うような場所だった。
確かに、無人販売と言えば、
山の中(奥)の、人通りのない、
田んぼか道か見分けのつかない場所にひっそりと佇むイメージだけれど、
無人販売とは言え、ここで人を雇えば、
無人販売は賃金を払うことになる。
人間より熊のほうが多そうなこの土地で、
賃金を払うほど野菜が売れるのだろうか。
不安に思ったあたしは、
友達にそっと聞いた。
あたし「ねえ・・・お給料って歩合じゃないよ・・・ね?」
いや、歩合は歩合で嬉しい場合もあるのだけれど、
歩合という給料形態がどうこうの問題ではなく、
閑静すぎる山の奥、
人口密度より熊口密度のほうが高そうなこの地において、
歩合とか言われても、売りきれる自信がない。
自信以前の問題、物理的に無理だと思う。
あたしの一日分のお給料は確保されているのか。
売れなくても最低賃金くらいはいただけるのか。
そして、熊に会った場合は応戦か退却か。
弾丸のように問いただしたところ、
どうやら、派遣会社の友達と、無人販売の管理人は知り合いだそうで、
売れなくてもお給料は貰え、
キャンギャルほどは払えないけど、最低賃金よりも貰え、
熊と会った場合は応戦で。
と、アドバイスをいただいた。
無人ではあるけれど、
有人ならぬ、友人販売と思えば、すべてが納得できた。
現地に着くと、無人販売の管理人(以後おじさん)が待っていた。
軽いご挨拶をして友達は帰り、
あたしは、仕事内容と無人なのに有人の理由を聞いた。
仕事内容としては、
あくまでも「無人販売」がウリだから、
基本的には何をしててもいいけど、
盗難防止程度には見張ってくれ。とのこと。
おじさんは言う。
「多少売れ残りがあるのは仕方ない。でも、最近は料金箱ごと持っていく悪いヤツがいる。」
「一日の売り上げを全部持っていかれたうえ、料金箱本体(←高かったらしい)を持っていかれると、商売あがったりだから。」
「何があっても、料金箱本体(←すでに3個目らしい)だけは死守してくれ。」
「熊が来たら逃げていいから。」
最後のヤツ、少し、ホッとした。
その後、おじさんは、無人販売所が見える場所にパラソルを立ててくれ、
椅子も設置してくれた。
飽きないように、と、ラジオも持ってきてくれた。
あたし「お客さんって、結構いらっしゃるもんですかね?」
おじさん「こんな山奥だけど、近くに温泉があるから結構来るんだ。先週は一日で70袋出たよ。」
ここの無人販売は少し変わっていて、
1袋500円のワンコイン販売。
いろんな野菜が詰め合わせになっているのだけれど、
袋がはちきれんばかりに入って、のお値段なので、実質すごいお得。
おじさん「最近は口コミで広まって、リピーターもついてね。遠くからわざわざ買いに来てくれる人もいるんだ。」
おじさんはすごく嬉しそうに話してくれた。
あたし「じゃ、今日もたくさんいらっしゃるといいですね!」
おじさん「そうだな。今日は100袋くらい出て、明日は200袋くらい出て、来年はここに野菜御殿を建てんだ!」
なーんて夢を見ていると、
一台の観光バスが無人販売所の前に止まった。
おじさん「これは・・・!」
あたし「観光バス・・・!」
おじさん「ついにうちの販売所にも観光バスが・・・!観光バスが・・・!ひゃっほう!」
おじさんは大喜びでバスに向かって走り出した。
特に何の宣伝もなく、
人口密度より熊口密度のほうが高く、
閑静すぎる山の中に、
わざわざ観光バスが来るなんて、
口コミってすごいんだなー。
と、思いながらおじさんを待っていると、
程なくしておじさんが戻ってきた。
あたし「どうでしたー?いっぱい売れましたかー?」
と、聞くと、
おじさん「・・・Uターンだった・・・」
少し寂しい答えが返ってきた。
ご清聴ありがとうございます。
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ありがとうございます。ぺこりぺこり。
明日はイロイロとすごすぎたお客さん編。
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